安部総理の日本総理大臣としての任期が歴代最長となった。
米国トランプ大統領には公約を必死に実現する姿勢が見られるのに対し、長期安定政権である安倍総理の姿勢はそれとはかなり違っているように見えて来たのだ。
第二次安倍政権に打ち出したマニュフェストは日本国民にとっては素晴らしいものであった。
だがしかし、この公約が雲散霧消している気がしてならないのである。
国民の見えないところで…
水面下では公約の実現に向けた努力をしているのかも知れないが、少なくとも表向き見えるところではそのように存するかも知れない努力どころか、かつての公約と違う方向を辿っている気がするのだ。
最近特に思うのは、第一次政権に際して靖国参拝を控えて真っ先にお伺いを立てた支那への回帰があるような気がしてならない。
国民を対象とした「桜を観る会」を中止して、支那・習近平と「桜を観る会」を開くかのように、桜の季節に共匪の頭領であり、21世紀に再来したヒトラ-というより以上にチベット、ウイグルおよび南モンゴルで抑圧を続け、今また香港の人々を裏で弾圧し、中共国領土でもない台湾の武力「統一」を公然と表明し、諸国でいわば高利貸しして身ぐるみ剥いでいる観があり、南シナ海、東シナ海、一帯一路等で覇権主義をはっきりと実践している習近平を国賓として招待しようとしている姿勢には、一時期の安倍総理からは想像できないものがある。
まさか安倍総理が習近平と靖国神社の花見を心しているわけでもあるまい。
安倍政権の経済政策については、言うまでもないほどの愚策のオンパレードである。
消費税増税し、経済を悪化したのち経済対策をするなどと全くもって不可解だ。安倍総理を愚者とはいわないまでも、「愚者は経験に学ぶ」と愚者であるからこそ経験に学ぶもの。… にも拘わらず、安倍政権の経済財政政策は経験にも学ばない姿勢でしかない。
わが国にしか存在せず、世界の奇跡ともいえる"万世一系主義の天皇制"を破壊しようとしている観があり、世界史に稀な民族の抑圧者を国賓として招くことを当然とする親中派、二階幹事長のような胡散臭い人物を身近に置いていることからして問題ではあるのだが。…
その他にもまだ批判すべきことはあるが、安倍政権に対する野党の姿勢にも多大な問題がある。
と或る学者は安倍最長期政権を論じた中で与党に法案修正機能を、そして野党に批判機能を求め、また安倍総理の解散戦略を封ずるためか英国的解散制限制等について論じていたが、わが国の野党が批判機能において十分過ぎるどころか行き過ぎるほどであることは無視してはならないものだ。
それも些末なことでの批判を長期に続けながら国会審議を止め、膨大な経費を何度も無駄にして平然としているのだ。
"1回の国会に必要とされる経費は約2億円である"のだ。
これは当然、国民の税金から成るものだ。
予算を審議するわけでもなく、ただTVに出たいとばかりに些事についても予算委員会の開会を求めて駄々を捏ねる。
まるで子供の駄々っ子集団である。
ところで、野党も選挙に際して実現する政策を公約として訴えていたはずだ。であれば、政府を些事で批判するのではなく、自己の政策を実現するための法律案提出に注力すべきである。政府案あるいは与党案に対抗するのだ。衆議院では僅か21名(予算を伴う場合51名)、参議院でも僅か11名(予算を伴う場合21名)以上で法律案を提出できるのだ。
これは、国会法56条に規定されているものだ。政府案等に係る対案を提出すれば、単なる政府批判以上に政治を真摯に見る国民の注目を浴びよう。その中に政府案等以上のものがあれば、評価を高め得るのだ。野党にそのような姿勢が常にあれば、野党にとって解散は政策実現への一歩として何時でも望むところのはずである。
国際関係に緊張があり、経済が真に上向くことなく、家庭や社会に乱れが生じ、福利厚生に難があり、国内に「スパイ」は横行し、(自然・人工)災害が頻発甚大化している等々の国事に係る必要とされる立法は多種多様に存在するのだ。
"シュレッダ-の調査をして得意げに皆で快哉を叫んでいる時なのか。"
立法のための調査こそ肝要な仕事のはずだ。ただでさえ議員数が少ないのに立法機関を構成する者として必要な時間や作業は足りないはずだ。肝腎の立法作業は二の次にして週刊誌等を頼りにして政府与党のミスや欠点ばかりに集中し過ぎ、挙句の果ては国会を政府立法の承認機関と堕落させている現状を改めるべきなのだ。
野党が自己の政策に自信があれば、常に法律案を用意して公約とし、それを成立させるために常時解散を求める姿勢こそ頼もしく思えるのではないか。国会は「解散を回避した政府のあら捜し」機関ではなく、政府を動かす立法をする機関なのだ。後継者がいない現在、消去法として安倍政権を支持はするが、この政権と健全に対抗する野党は誕生しないものか。…